金澤敏明が、一言ぐさり、「重たい」と語った中盤のシーン。

別室観戦席用解説:金井管史〔聞き手:金澤敏明〕

睦月杯1回戦第2試合
木村正一-山下敏子戦
対局日:2015年1月3日
別室観戦席用解説:金井管史
聞き手:金澤敏明

 

木村正一は昨年から1年間、ずっと不調だった。
昨年の成績は8つの定例トーナメント出場で5回が1回戦敗退と往年の記録が嘘のように負け込んでいた。

 

対して山下敏子は定例トーナメント10回の出場で1回の優勝、2回の準優勝、5回が初戦突破と還暦を過ぎてなお実力者としてこの界隈のアマチュアたちを牽引。

 

私を含め彼女をリスペクトしている若者も多いであろう。

 

悪戦苦闘続く木村だが今年こそは好成績を収めて一矢報いたいに違いない。

 

先手はそんな木村からはじまる。
盤上は居飛車穴熊VS後手山下の四間飛車美濃囲いの様相を呈していた。
後手が△6五銀と攻めあがって、早くも銀交換をする。

 

そこから読みよりも大局観の勝負になる。
その後、角金交換で後手が駒得になり、このリードをずっと保ったまま終局までいくことになる

 

聞き手で金澤敏明が、一言ぐさり、「重たい」と語っていたが、結局、先手の側に攻める番は一回もまわってこなかった。

 

△7四金と埋めた手、最後の飛車切り、山下の見事な指し回しだった。
山下のほうは馬に弱く、逆に桂を渡さなければ寄せがない状態だった。

 

山下は、馬を失わないように攻め続ける。
これは対穴熊戦の良いサンプルになるのだと金澤敏明氏は語っていた。

 

穴熊を相手にしたときは、そのシーン注目して周囲を見ると駒の価値をしっかり考えて指すのが大事だと気づくという。

 

居飛車穴熊のこういう負け方をみると、自分としてはやっぱり「居飛車穴熊はやりたくない」と思ってしまうのだが、素人は皆そう思うのではないだろうか。

 

それにしても金澤の解説は、いつも安定感があってピンポイントだ。
対局は山下が勝利を収めた。

 

彼女はこれで3年連続正月は初戦突破。
今年も好成績を収めるに違いない。

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