2015長月杯1回戦は今年初めての因縁の対決「澤村明憲 対 金澤敏明」

2015長月杯が開幕!初戦は今年初顔合わせ澤村氏と金澤氏

 

2015長月杯

 

トーナメント1回戦 澤村明憲 対 金澤敏明(角換わり相腰掛け銀)

 

初秋、豪雨災害から明けたばかりの川越会場で開催されたのは、9月恒例の長月杯。
今年も、澤村明憲氏、金澤敏明氏、山下敏子氏をはじめ、この界隈の猛者が集結し手を交えた。

 

伊藤会長のくじ引きによって対局カードが決まるが、初戦は今年初の顔合わせとなる因縁の対決。

 

澤村明憲 対 金澤敏明。
1回戦から屈指の好カードとなった。
いずれかが敗者となり2回戦以降解説に回る手はずの中、2人だけの負けられない闘いの幕が切っておとされた。

 

戦型は角換わり相腰掛け銀。ただし双方に工夫がありあまり拝見することのない駒組み。
後手の金澤敏明が△65歩型&2枚銀。対する先手澤村は▲48飛型&1筋の歩突き越し(35手目盤面図)。
このような配列はあまり目にすることはない。おそらくは後手の金澤敏明の新手の技、もしくは試している、のだろうか。

 

澤村は△73角。玉を囲うのかと思いきや、かなりアグレッシブに中へ切り込む。これは角換わりの急戦矢倉的というか、後手の金澤敏明氏が勝利するならば、かなり早い段階で決着がつくことが想定される。

 

▲49飛△55銀左▲同銀△同銀となった場面。
澤村明憲の▲49飛はなんとなく察しがついた。相腰掛け銀で銀交換になった際、銀の割り打ちを避けたのだろうか。普通ならばこの筋を先に断ち切っておきたいと考えてしまうところである。ただしその発想は矢倉でも同じこと。先手澤村は急戦調で来た以上はここで仕掛けたいところ。

 

▲75歩△同歩▲74銀△51角となった場面。
盤上の中央付近がやや落ち着いてきたところで、先手澤村は角頭攻めに打って出る。駒組みより後はマニュアルどおりというか、虎視眈々といったところ。非常に落ち着いている。

 

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