長月杯準決勝 岡崎信吾 対 木村正一の中盤までの見所

金澤敏明氏と澤村明憲氏の解説をもとに岡崎信吾対木村正一を振り返る

 

2回戦で優勝候補の金澤敏明氏に打ち勝った今大会ダークホースの岡崎信吾氏。

 

準決勝の相手は年初の如月杯以来となる、先輩、木村正一との対局。

 

別室では、2回戦で敗れた金澤敏明氏と澤村明憲氏が恒例の解説。

 

木村正一は1回戦、三浦隆人を133手乱打戦で退け、2回戦、小島義久には巧みな居飛車で勝利。
順当に勝ち進んでここまできた。
対局前のコメントでは、秋口は毎年調子が良くないが、今年は夏の修行を反映させる結果を出したいと意気込んでいた。

 

将棋は岡崎信吾が先手となり、後手木村正一は中飛車の対抗形からの相穴熊の様子。
岡崎信吾が穴熊を指す姿を見たのはこれが初めて。

 

後手木村正一は中飛車を突破するために、3筋に飛車を振る手をよく指すのだが、最近はあまりしっくり上手くできた試しがないと以前嘆いていたのを思い出す。
岡崎信吾が3筋に飛車を振った。これで51手目盤面図までなだれ込み、もう両者共に後には引けない状態になっている。

 

金澤敏明氏が解説で語ったのは、
「ここは後手の木村さんが、△33歩と守るか△56飛と走って攻め合いに行くかの2択かと思いましたが…。」と一言。

 

△57歩

 

穴熊崩しにはと金攻めという発想だろうか。非常に利口な打ち回しに感じた。

 

▲31飛成△58歩成

 

これで先手岡崎は龍を作り、後手、木村はト金を作りはじめる。
しかし、穴熊戦でト金に執着されると厄介である。
これに関しては後手木村正一の方が若干オフェンスが有利に思える。

 

▲35角→先手岡崎信吾は攻防の角打ち。

 

△57角▲同角△同と▲35角→それに対して木村正一は合わせの角で相手の角を消し、手損なしでと金をベストな位置にまで移動。だが岡崎信吾は角でしっかり合わせてくる。

 

△68銀▲同金△同と▲同角→と金をなくしてしまうと、後手木村正一の穴熊崩しの構想も、龍を作らせた代償さえ無くなりそうだった。しかしここからの攻め将棋の木村の喰いつきは見事だった。

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