澤村明則初段の先手中飛車から気が付けば金澤敏明二段の優勢に

居飛車VS四間飛車穴熊の二人の攻防

 

∇気が付けばまたしても形成逆転

 

居飛車VS四間飛車穴熊の想定が考えられる局面。すぐさま先手中飛車を指す澤村明則初段。
後手は金澤敏明二段。58手目あたりまでは充当な攻勢であったが気づけば後手優勢の展開に。
端攻めに際して▲93歩の瞬間に▽36歩をついた手がポイント。
しかし直後の▽37歩から桂打ちの両取りはあまりいい結果を生まなかった。
壁銀の解消をさせてしまったことで場の利を生めていないようにみえた。
こういった隙を見逃さないのが後手金澤敏明二段。
気が付けば有利に立ち、つみまでのイメージが沸くような位置取りに居る。

 

澤村明則初段は、序盤飛車で歩を奪い▽86飛車へ廻る手だとどうなっていただろうか。
香車の端攻めがきていたかもしれないが再度飛車を廻る形も見たかった。

 

∇連戦の疲れか果たして

 

連戦終盤の対局。序盤では後手が優勢。
14桂によって王手された局面だが、珍しく金澤敏明二段が圧倒された対局であった。
14桂に同香と応じた手が致命傷となり敗北した。72金の王手から角打ちが想定になかったのだろうか?
それとも何か新たな試みを実践実験していたのだろうか。そう感じてしまうのは、らしからぬ敗北だったからだ。
角の王手に84歩で受けず。だが92金の王手があり龍で桂を奪われ85桂がジャストで待ち構えている。
結論的にあまりに手数の少ない歯応えの無い対局だった。

 

この対局で最善の策を考えれば14香の王手に93玉だった場面。
先手玉には29銀の詰みが襲い掛かっているが、銀をとりその後王手飛車がくるという展開だろうか。
王手飛車にあたり75桂も面白かったと思う。同角なら84歩をスタンバイし次の29銀からの詰みを狙うという手も考えられた。
飛車が落ちたら78銀で詰みを狙っていく。75桂が落ちたら86歩で詰めていき、攻勢をかける。とまあ素人のシミュレーションより遥か上を打つ二人の対戦だ。
金澤敏明二段VS澤村明則初段同サークルOB対局名勝負
そんなことは頭をよぎって通り過ぎて行った果ての結果に違いない。

 

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