山下敏子初段が格上金澤二段を語る

数度の対戦で相手の個性を理解

 

先週の週後半、金澤敏明二段-山下敏子初段の若手-ベテラン戦から。
トーナメント形式で行われていた如月杯。3回戦屈指の好カードであった。
年齢差は20前後あるものの、格では金澤敏明二段が上。
どのような戦術が飛び出すか見物であった。

 

金澤敏明二段はアマチュアの学生時代から将来を有望視されていたエリート的存在なのに対して森下敏子初段は研究熱心で努力家。柔軟性がありどのような戦法も指しこなすといったタイプの打ち手だ。

 

序盤からこの二人の対局はスピードがありあまり長考が少ないのが特徴的だ。
それとどの瞬間にもとにかくスキがなく、ミスをしたほうは即致命傷となるようなピリピリした空気もある。

 

金澤敏明二段は初のタイトルを獲ってから約7年飛躍を続けているが森下敏子初段はならではの独特の世界観で序盤戦術を丁寧に積み上げることが特徴。

 

山下敏子初段は序盤の創意工夫が目立ち、中終盤になると骨太な将棋を打ち この日も序盤から力戦形で指していた。
対戦を控えて前日、友人に「明日は自分らしく創造性豊かに」と語っていた言葉の通り積極的で大胆で創造的であった。

 

山下は金澤敏明二段との対戦に際し、「彼は非常に才能溢れる若い棋士という印象があるが、自分よりも明らかに兵。豊富な戦術スキルと、キャリアを積んできているので胸を借りるつもりで望みたいとも語った。先手であっても後手であっても、向かい飛車か居飛車を想定しているとの談話も。

 

先読みされるようなセオリーを度返ししてスリリングな、展開に持ち込みたいと豊富を語った。

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