107手で金澤敏明二段が山下初段から連勝

107手で金澤敏明二段が逆転勝利

 

結果として「端玉には端歩」を表現するかのように、受無しに追い込んだ金澤敏明二段が107手で山下初段から連勝を納めた。

 

中盤までの和やかな空気から、終盤にかけての変化は、雷雨の雨模様が一気に晴れ渡るかのような気候がめまぐるしく変わる様のごとしであった。

 

山下初段は小駒だけで、ベストな詰め駒が無かったことが痛かった。
隙を与えれば一瞬でこのような様になる。
このクラスの段位の対局はこれが面白いのだ。

 

この対局を振り返るが山下初段が△5五歩とした場面。
後手から他に何か有効な攻めがなかったのか当日のメモを基に考察してみた。

 

山下敏子の持駒:金二 歩一 
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v飛v香|一
| ・ ・v玉 ・ ・v・ ・ ・ ・|二
| ・ ・ ・v銀 ・v金v桂v歩v歩|三
| ・v歩 ・ ・v歩 銀 ・ ・ ・|四
|v歩v桂 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・v歩v歩 銀 歩 銀 ・ ・|六
| 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ 飛 ・ ・ ・ ・ 金 ・ ・|八
| 香 ・ ・ 桂 玉 ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
金澤敏明の持駒:角二 歩三 

 

最善手は△7七金であったかと個人的に分析している。
5五歩もプランBとしては面白かったかもしれない。
個人的には後手山下初段の攻めが連続し、これだけ長引かず100手以内に「金澤城は陥落」を想定していたが、見事に予想は外れた。

 

改めて冷静にこうして分析をしてみると△5五歩▲同銀後の△5一飛が決め手となったことに気づく。

 

△9四角は山下初段のような女性の大胆さ、肝の座った度胸試しが面白かったのだが、△5一飛が明らかにミスと呼べるものだったのが残念だ。

 

頻繁に対戦している二人ではないが、近日中にまたリベンジ戦があることを願う。

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