先読みを楽しむ金澤敏明氏と意外性ある展開を魅せる沢村明憲氏

長考の金澤敏明氏と決め打ち気味の澤村明憲氏

 

澤村初段の△5四歩が風向きを変えるに続く。

 

先の解説で明確なとおり、△5四歩のあとの展開は澤村初段が露骨に優勢。
117手での金澤敏明二段の玉詰みとなり1勝目は澤村明憲初段が勝利を収める。

 

こういったローカルの決勝で連戦対局というのは数年ぶりの二人。
しかも早朝より頭脳を酷使してきているだけに流石に疲労があったのか、10分少々の休憩を挟んだ。

 

そして2局目開始。
早々から金澤敏明二段の飛車角交換のばたばたが続き、▲4四歩の取り込みに後手澤村明憲初段が△3三桂と受けた場面があった。

 

8五の桂はどうしても落ちる寿命のようで、できる限りスピーディーに攻めたい熱気を感じたが、どのように攻めを継続したら良かったのか、答えは見つからない展開でもある。

 

この連戦でも金澤敏明二段は先読みしているかのように緩い長考が多く見られ、いつもの決め打ち将棋には感じられない。

 

極論、このように緩急つけるというか場面を見極めてベストな判断をすることがこの両名の成熟ぶりを表わしているようにも感じた。

関連ページ

水無月Tの観戦中
今月もローカル対局トーナメント、水無月Tが開催されている。1回戦速報の模様をノートから投稿。
水無月T。Bブロックの模様を掲載
先日の水無月T1回戦の模様を掲載
前回雪辱を果たし金澤敏明が勝利
皐月T2回戦の対局結果と対局の分岐点を解析してみた。
2回戦の澤村明憲−木村正一戦を分析
2回戦の澤村明憲−木村正一戦を様々な可能性を考えながら解説してみた。
澤村明憲氏の巧みな追い込み
澤村初段の巧みな戦術についに玉も動かざるを得ない展開へと追い込まれていく。木村正一目線でこの場面を考えてみた。
木村正一氏の最後の粘り
簡単には負けない木村正一氏の粘りが際立つ素晴らしい対局となった、終盤にかけての展開を考察してみた。
噴煙の中、敵将の顔が見えながらの敗北
敗北した木村正一への惜しみない拍手の理由。
水無月T決勝戦は金澤敏明-澤村明憲
水無月T決勝戦第1局の模様を詳しく解説しているページ。
金澤敏明氏の相掛かりに筋書きはあるのか?
金澤敏明の戦術を中心に解説している。
澤村初段の△5四歩が風向きを変える
第1局の終盤にかけての名場面ポイントを分析。
矢倉先手金澤敏明流早囲いに澤村明憲の暗中模索
見慣れた両者の対局だが、2戦目は一風変わった展開になる。
金澤敏明氏は自己流の早囲い
澤村初段の矢倉封じの本質はどこにあったのだろうか?
▲3五歩で場面は一気に架橋に入る
名勝負の勝負の機転を振り返って考察していく。