金澤敏明氏や澤村明憲氏らのライバル山下敏子氏の1回戦の模様を検証。

小島義久-金澤敏明戦に続いて山下敏子-中田(安)戦の模様を解説

 

小島義久-金澤敏明戦に続いて同じ盤上で行われた山下敏子-中田(安)戦。
この対局も非常に見所満載の熱戦であったので一部始終振り返りたい。

 

初手から▲7六歩△3四歩▲4八銀△4四歩▲4六歩△4二銀、▲3六歩△4三銀▲5六歩△4二飛▲4七銀△5四銀、▲5八飛

 

先手は中田(安)。後手が山下敏子氏。

 

▲4六歩から▲4七銀にかけて▲5六歩の組み合わせは、ここまでの展開では若干の違和感は感じるものの、お互いに位を許すまじと中央で歩が並列する展開が続き、結果として、二枚の銀を三段目に並べるのが定跡となっている。

 

中田(安)の指した▲5八飛はかなり強気な一手に見えたのだが、歩越しの銀に際しては歩で勝負する真骨頂の二人ゆえ、どちらも引かない展開が続く。

 

▲5八飛のあとは、△4五歩▲2二角成△4六歩▲同銀△2二飛▲5五歩、△6五銀▲4三角△4七角

 

この二人は2010年5月の皐月杯Tに一度対戦したことがあったそうだが、その際には中盤、山下敏子氏が△3三桂・△4二銀の場面から形勢を一気に逆転した記憶がある。

 

ここまでのところでは一進一退の攻防といったところでどちらにアドバンテージもない。
しいえて言えば若干後手山下敏子氏の陣形が動きが感じられて見栄えがいいといったところ。
先ほどの▲5八飛のあたりの動かし方がやはりどうも個人的にはひっかかっていた。

関連ページ

先月の七夕親善杯の1回戦の模様を考察
七夕親善杯の1回戦の対戦カードなどを掲載。
小島義久氏と金澤敏明氏の七夕親善杯1回戦
小島義久氏と金澤敏明氏の1回戦の模様を解説。
金澤敏明氏の不気味な位置取り
金澤敏明氏がいかにして小島義久氏から勝利を収めたか見所を解説。
数多の選択肢の中で中田(安)がチョイスした道
一進一退の攻防の中で山下敏子氏が徐々に自分のペースに局面を誘導はじめていた中盤を解説。
失敗を認めることも有段者への道のり
△5七金▲7八玉△6七銀成のあとの盤上を分析
△3二金の意図とは?
山下敏子氏と中田(安)氏の対局より
澤村明憲氏の初戦の模様から
遠藤春義と澤村明憲の対局から学ぶもの。
当日決着のトーナメントの賛否両論
ローカル対局で時間を考えるが故の懸念点
オフェンステクニック
攻撃のボキャブラリーが増えているこの界隈の棋士たちのこと
矢倉を貫いた伊澤敏夫-田中広重の1回戦
矢倉を貫いた伊澤敏夫-田中広重の1回戦の模様を解説
過去の対局を照合しながら伊澤敏夫-田中広重の欠落点を考察
伊澤敏夫氏が巻き返しを図っていた△7三桂のあとの展開を考察。
△9三香で局面の打破を目論む
伊澤敏夫-田中広重の攻防を考察
角香変更の恩恵と△4三金右
伊澤敏夫-田中広重戦の考察・中盤〜後半
類似した局面から異なる盤上へ
伊澤敏夫-田中広重戦(中盤〜後半)、▲3七銀のあとの展開を解説。
▲8六銀が面舵いっぱいとなる
伊澤敏夫-田中広重戦(中盤〜後半)、伊澤敏夫が5七銀と引いたあとの展開を解説。
▲2五桂を回避する銀下げ
▲2五桂を回避する銀下げについて考察。
敗因詮索は勝因詮索
▲6六銀の局面から勝負を解析しているページ。
脳裏をよぎった金澤敏明氏の講義
伊澤敏夫-田中広重戦を観戦して学んだことの総括。
田中広重氏が▲5六金へと一挙に押し上げたこと
△7三銀型も見え隠れする展開