金澤敏明氏や澤村明憲氏が慕うシニア棋士、山下敏子氏の1回戦対局

角落ち程の力量差

 

何故△3二金をチョイスしてしまったのか?

 

山下敏子氏と中田(安)氏は角落ち程の力量差があり、ここ数年の記憶だと山下敏子氏の9勝1敗という大差が付いている。

 

記録するトーナメントでこの数字ということは交流対局も合わせるともっと差があるのかもしれない。

 

力の差を感じている中田(安)は、△2九龍を取ると自陣への利きが無くなり、山下敏子氏の攻めが受けきれない、と判断したのだろうか?ここで意外な戦術を取った。

 

ただ山下敏子氏の着実な寄せを見るばかりで、中田(安)はこの時点でほとんど勝算は低かったのでその内容は大方割愛するが、2九の桂も、最後まで取られる事は無かったのだった。

 

この二人の対局は、攻めが優先的に考えられ、受けのことは深くは考えていない。
そんなスピーディーな展開が多い。

 

金澤敏明氏や澤村明憲氏ぐらいの実力者との対局では受け重視の山下敏子氏も、中田(安)相手には受けることがほとんどない。

 

結局、山下敏子氏が中盤から圧倒的に盤上を支配し勝利を収めたのだった。

関連ページ

先月の七夕親善杯の1回戦の模様を考察
七夕親善杯の1回戦の対戦カードなどを掲載。
小島義久氏と金澤敏明氏の七夕親善杯1回戦
小島義久氏と金澤敏明氏の1回戦の模様を解説。
金澤敏明氏の不気味な位置取り
金澤敏明氏がいかにして小島義久氏から勝利を収めたか見所を解説。
歩越しの銀に後手が山下敏子氏は?
山下敏子-中田(安)戦の模様を解説しているページ。
数多の選択肢の中で中田(安)がチョイスした道
一進一退の攻防の中で山下敏子氏が徐々に自分のペースに局面を誘導はじめていた中盤を解説。
失敗を認めることも有段者への道のり
△5七金▲7八玉△6七銀成のあとの盤上を分析
澤村明憲氏の初戦の模様から
遠藤春義と澤村明憲の対局から学ぶもの。
当日決着のトーナメントの賛否両論
ローカル対局で時間を考えるが故の懸念点
オフェンステクニック
攻撃のボキャブラリーが増えているこの界隈の棋士たちのこと
矢倉を貫いた伊澤敏夫-田中広重の1回戦
矢倉を貫いた伊澤敏夫-田中広重の1回戦の模様を解説
過去の対局を照合しながら伊澤敏夫-田中広重の欠落点を考察
伊澤敏夫氏が巻き返しを図っていた△7三桂のあとの展開を考察。
△9三香で局面の打破を目論む
伊澤敏夫-田中広重の攻防を考察
角香変更の恩恵と△4三金右
伊澤敏夫-田中広重戦の考察・中盤〜後半
類似した局面から異なる盤上へ
伊澤敏夫-田中広重戦(中盤〜後半)、▲3七銀のあとの展開を解説。
▲8六銀が面舵いっぱいとなる
伊澤敏夫-田中広重戦(中盤〜後半)、伊澤敏夫が5七銀と引いたあとの展開を解説。
▲2五桂を回避する銀下げ
▲2五桂を回避する銀下げについて考察。
敗因詮索は勝因詮索
▲6六銀の局面から勝負を解析しているページ。
脳裏をよぎった金澤敏明氏の講義
伊澤敏夫-田中広重戦を観戦して学んだことの総括。
田中広重氏が▲5六金へと一挙に押し上げたこと
△7三銀型も見え隠れする展開