先手の木村正一の見事な鉄壁の守備を森下が突破を模索する
森下秀郎が△45歩を指したあとに続く。
▲同銀△57桂成▲36飛△58成銀
ここの打ち合いが互いに素晴らしかった。
木村正一がどのように思考していたか考えは読めないが、木村正一の選択は面倒を見る▲45同銀。
これで57の地点の駒の利きが薄くなったところで、森下秀郎が桂を成り込み、それを躱す手を巧みに用いた。そして木村正一が飛車を逃げながら利かされていた歩を切り取ったという展開。
だが飛車が5筋から移動したのを巧みに利用して今度は森下秀郎が△58成銀と角取り。
いずれも2つ以上の狙いがある戦術のやり合いで、見応えは十分。
金澤敏明氏が一言。
「現状、どちらが優勢か甲乙は付けがたいのですが、大駒をいじめながら攻め駒を穴熊に近づけた森下さんが少しは差を縮めたのではないかと思いますね。」と独自の意見を述べた。
付け加えるように澤村明憲氏も一言。
「角を逃げたいところですが、86への利きを外せば後手が飛車を走る宿命になるし、しかし紐をつけたまま退散というのもいささか…△48歩の垂らしで今度は後手がと金攻めになりますしね。」
▲52と△59成銀▲42と△同金
木村正一が攻め手を先にしかけた。結果としては金とと金の交換なので、先手駒得ではあったが、これで攻めがいったん緩和されるので、有利だったのかどうか。
問題は、先手玉の耐久力だが、先手の木村正一が今回はかなり鉄壁の守備をみせている。
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