山下の別室での解説をまじえながら試合を振り返った
2時間弱に及ぶ死闘に終止符が打たれる。
結果は澤村の大逆転負け。
金澤敏明が今年年間3勝という金字塔を打ち立てた。
同様に2勝しライバル対決を制したいと意気込んでいた澤村は落胆の表情が隠せない。
いつもは明るい表情の澤村だけに、対局後の様子を見ているのが痛々しかった。
澤村は彼らしく、気丈に振舞っていたが背中が切なかった。
20名の観戦希望者が押しかけた今回の霜月杯。
澤村明憲と金澤敏明の対決を総括するに、金澤敏明氏に形勢を悲観していたが故、疑念やミスを連発し澤村は幾度とないチャンスがめぐってきても、それを本人自らの失態で逃してしまうような展開。
さらに澤村が「金澤の間」と呼ばれる8三に打った桂馬が想定外に好手とはならず、見たままの筋悪の手で形勢をさらに大きく損ねてしまったことが一気に金澤敏明を勝利へと導いた敗因だろう。
「金澤の間」はそう簡単に真似をしては駄目なのかもしれない。
解説の山下は「この地元で最も注目している澤村明憲氏対金澤敏明氏戦」と語り、初日には伊藤さんも足を運んでいたほど注目されていた。
「金澤君は澤村君を違った意味でリスペクトしていて一つ一つの勝利が重い勝利ね」と澤村の実力をフォローする発言も飛び出していたほど、澤村ははっきりいってかなりの実力者へと成長している。
年末は師走杯が開催されるがこのトーナメントで最後有終の美で澤村が勝てば伊藤流OBの二人揃って年間3勝を記録することができる。
締めくくりの反省会ではそれを熱く語る澤村の姿が印象的であった。
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