長月杯2回戦第2試合 金澤敏明 対 岡崎信吾の模様を掲載

今年の弥生杯以来の対局となった実力者対決

 

長月杯2回戦第2試合 金澤敏明 対 岡崎信吾

 

1回戦Aブロック勝者の金澤敏明とBブロック勝者岡崎信吾の対局の模様を考察してみる。

 

今年の弥生杯で対局しているこの両名だが、このときは金澤敏明が岡崎信吾を後手中飛車の対抗形の相穴熊で破っている。

 

今回はどんな戦術で相対するか非常に見物であった。

 

結論、この対局は後手中飛車の対抗形、相穴熊。
しかも先手の金澤敏明の対抗策は4枚穴熊ではなく▲46銀型。
これは昨年の決勝の横山戦を思い出させる展開だった。

 

そのとき横山戦では後手だった金澤敏明が9筋の位を取りにかかった。だが今回は先に穴熊に2枚目の金を隣接させにいくことを優先したようでそこが分岐ポイントであった。つまり33手目あたりまではまったくの同じだったといっても過言ではないのだ。

 

後手の金澤敏明が中飛車36手。中盤にさしかかったところで、既に優劣はついていたのではないかと思えるほど。盤面図36手目は、後手の金澤敏明が△74歩と突いてきた場面。

 

これは飛車を7筋に転換させる狙いだったと思われるが、この狙いが結構受けづらいようにも思えた。ここからの先手岡崎信吾の構想が圧巻だった。

 

▲86角△64歩

 

対振り飛車戦で金澤敏明が長考するのは、穴熊に組んだ時。
いつも迷うのがこの角交換のようにも感じる。

 

86に角を出ること自体はよく観られるが、角にぶつける場合というのが、彼には少し指しにくいようにも感じるのだ。

 

なぜなら、これで後手から角交換されると穴熊の歩が86に上ずるはず。
こうなると組み替えやその他の策を目指した方がいいという事になる気がしてしまう。

 

岡崎信吾は畏怖堂々とこれにぶつけてきた。
上級者相手にこの手を指しに行くというだけでも彼の実力もうかがい知れる。

 

非常に見応えのある中盤までの流れであった。

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