先読み的中度と遊び駒
金井管史氏との連戦の最中、この遊び駒を語るに相応しい瞬間があった。
金澤敏明二段が若手の実力者金井氏と合対した親善マッチ中盤。
▲4五桂、▲2二歩成△同角▲4五桂などオフェンスの手を読んでしまう自分が居た。
だが、冷静に考えるといずれの攻めパターンにも▲4五馬に対して△4四歩と我慢するのが好手であり、易々と攻め落とすことはできなそうだ。シンプルな鬩ぎ合いになってしまうと穴熊のスピードのほうが優位だろう。
しかし先手の玉の弱さが際立つために、あまりこうはなってほしくなかった。
結局は実践では▲3七飛となった。
△2九飛成となれば▲3三角成△同銀▲同飛成の二枚換えとなり先手が優位。
このシーンでは次の角取りが受けにくくなり、また角を奪ったまま金を落とし、流れるような攻めが続いてしまうので、後手にピンチが続いてしまうことが見て取れた。
△同飛成▲同桂は絶対の手であるが、この場面では先手の桂が活用できてさらに後手の飛車が消えるのだ。
仮に△3九飛では安易に▲4五桂の形を指されてしまう。
▲4五桂は持駒を打つ方法であるが、▲4五桂は2九の桂を飛び越えた攻めになる。
桂馬の魅力がふんだんに盛り込まれたいい手だと思った。
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