長考の金澤敏明氏と決め打ち気味の澤村明憲氏
先の解説で明確なとおり、△5四歩のあとの展開は澤村初段が露骨に優勢。
117手での金澤敏明二段の玉詰みとなり1勝目は澤村明憲初段が勝利を収める。
こういったローカルの決勝で連戦対局というのは数年ぶりの二人。
しかも早朝より頭脳を酷使してきているだけに流石に疲労があったのか、10分少々の休憩を挟んだ。
そして2局目開始。
早々から金澤敏明二段の飛車角交換のばたばたが続き、▲4四歩の取り込みに後手澤村明憲初段が△3三桂と受けた場面があった。
8五の桂はどうしても落ちる寿命のようで、できる限りスピーディーに攻めたい熱気を感じたが、どのように攻めを継続したら良かったのか、答えは見つからない展開でもある。
この連戦でも金澤敏明二段は先読みしているかのように緩い長考が多く見られ、いつもの決め打ち将棋には感じられない。
極論、このように緩急つけるというか場面を見極めてベストな判断をすることがこの両名の成熟ぶりを表わしているようにも感じた。
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