金澤敏明の要所要所の解説を差し込みながら総評している伊澤敏夫-島田良太戦の後半

別室観戦席用解説:金澤敏明〔聞き手:鈴木遥一〕(後半)

 

金澤敏明は島田良太のこの場面について「▲4五歩が飛車の横利きを通して味が良いが、△5五銀と打ってくるからどうかがポイントですね」と解説。

 

ここで島田良太は勝負所と踏んだのか10分弱の長考。
そして、ゆっくりと▲2二歩を指してきた。
最前線でいつも揉まれているだけあって抜け目ない。

 

伊澤敏夫はこれに対し、△4八角をトライしようとしたものの▲2八銀と守られていたため角が動けなくなっている。
△4八角と△3九銀は釘付け。これでは後手がかなり厳しい状況だ。

 

この絶体絶命のピンチ、伊澤敏夫が繰り出した技に驚いた。
角と銀が動かせないのならと言わんばかりに、△3三桂。
△4五桂狙いを目論んでの展開であろう。
金澤敏明もこれには「勝負手ですね。」と一言。 
やはり伊澤敏夫も簡単には敗北を喫さない。

 

現在4連敗中とは思えないほど冴え渡っている。
島田良太にとってはこれは一気に難しい判断を迫られるようになった。

 

だが、ここで島田良太も起死回生の一手に打って出た。
盤上中央に▲5五角を強打。

 

意図はおそらく3七に受けに利かせてさらに攻めては2二の金取りだと思われる。  
金澤敏明「これは緊迫の局面を打開するためには素晴らしい一手になるやもしれませんね」

 

飛車が成りこめて、早くも島田良太の優勢に引き戻された。
しかし、伊澤敏夫もかろうじて玉の早逃げで粘りを見せる。
そして島田良太の会心の一手。焦点の歩、▲6二歩。

 

金澤敏明「これは致命的です。」

 

結局このあとすぐに115手で島田良太の勝利。
伊達はこれで5連敗となった。

 

金澤敏明「島田良太の好調がよく出た会心譜でした」と語る。

 

局後コメントでは、伊澤敏夫が「▲5五角がいい手でしたね」と戦局を振り返った。
悔しさが滲み出ていたが次回も参戦に意欲をみせていた。

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