角落ち程の力量差
何故△3二金をチョイスしてしまったのか?
山下敏子氏と中田(安)氏は角落ち程の力量差があり、ここ数年の記憶だと山下敏子氏の9勝1敗という大差が付いている。
記録するトーナメントでこの数字ということは交流対局も合わせるともっと差があるのかもしれない。
力の差を感じている中田(安)は、△2九龍を取ると自陣への利きが無くなり、山下敏子氏の攻めが受けきれない、と判断したのだろうか?ここで意外な戦術を取った。
ただ山下敏子氏の着実な寄せを見るばかりで、中田(安)はこの時点でほとんど勝算は低かったのでその内容は大方割愛するが、2九の桂も、最後まで取られる事は無かったのだった。
この二人の対局は、攻めが優先的に考えられ、受けのことは深くは考えていない。
そんなスピーディーな展開が多い。
金澤敏明氏や澤村明憲氏ぐらいの実力者との対局では受け重視の山下敏子氏も、中田(安)相手には受けることがほとんどない。
結局、山下敏子氏が中盤から圧倒的に盤上を支配し勝利を収めたのだった。
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