金澤敏明と澤村明憲の解説と合わせて「細野真彦 対 岡崎信吾」の終盤戦を参考

2015長月杯の2回戦Bブロック1回戦の勝者は・・・?

 

中盤に続く。

 

▲25銀△45馬

 

細野の銀打ちからの展開が非常に見応えがあった。指された瞬間この対局で初めてと言っても過言ではないぐらい、岡崎が顎髭をさすりながら首をかしげて長考に入った。

 

△同馬▲同飛が良くないのは明確で、攻め合いはとてもじゃないけど先手玉が離れすぎているので桂を逃がしたいところ。しかしどこへ逃がすかが鬼門になりそうだ。

 

岡崎は45へと逃がした。しかし、このシーンでは垂れ歩を抜きにかかる絶妙のタイミングかと思われたが、金澤敏明の解説では、「△33馬で抜くと▲13香成△同香で歩を補充されてからの▲34歩が利いていて難しい」のだそうだ。

 

▲36銀(91手目盤面図)△同銀▲同飛

 

細野がこの日は冴えていた。飛馬の換えは先手のメリットという状況の判断が出来ていなかったら、考えつくはずもない筋だからだ。

 

金澤敏明の解説では「これは銀で取るしかないが、次の同飛車が素晴らしい。」とのこと。
これも△同角でおとすと▲44角が痛い。

 

△34歩▲46飛△同馬▲44角△43銀

 

ここは逆に岡崎が素晴らしかった場面。結論としては角を躍動させることになると思ったこの展開も、飛車を抜いた瞬間に馬の残るところが変わり、これが68の金にぶつかってくる感じだった。

 

澤村明憲の解説では「これは1段飛車を入れてから馬霧からの銀の割打ちだったり、2段飛車から直接馬を蹴りに向かうパターンなどで応急着手もできる」のだとか。

 

▲32歩成△同玉▲11角成△76歩

 

細野が角の打ち込みから30手近く狙い続けた▲32歩成→▲11角成の手を繰り出す。だがその瞬間に岡崎も応戦。この終盤にあっても見応えのある攻防が続き、勝敗が見えてこない。

 

そして結局、ここから100手以上を受け切って岡崎が勝負を制し、152手にて勝利を収めたのだった。

 

最後に金澤敏明と澤村明憲が、部屋に戻り、両名とともに対局を振り返りこう語った。

 

「相腰かけ銀で後手が左銀を繰り出しての桂頭攻めは以前大学時代勉強したことがあるんですが、うまくいかないと結論付けていたつもりでしたが、今日はこの対局でその実践を見られて学ぶモノがありました。」

 

注目のBブロックはこうして岡崎がライバル細野を退けた。

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