矢倉を貫いた伊澤敏夫-田中広重の1回戦の続き

金澤敏明氏、澤村明憲氏ら後輩見守る伊澤氏の闘い

 

伊澤敏夫-田中広重の1回戦続き≫

 

端の位が活きない伊澤敏夫氏。
外野では金澤敏明氏、澤村明憲氏ら後輩陣も見守っていた。

 

ここからは続いて△9三香を指した局面を考察。

 

▲3七銀以下△9三香▲4六銀△9二飛

 

△9二飛では、端で香交換しようという意図が垣間見えた。
これが達成されると、端の負担が大きいため一気に後手に勢いが増す起爆剤となる。

 

そしてここから▲5五歩△同歩▲同銀へと局面は推移。
ここで△9六歩▲同歩△同香に進んだのは、▲同香△同香▲5三歩とするのが真骨頂の伊澤敏夫氏。

 

△同角は▲5四香、その他は▲9七香という狙いだっただろうか。
端が突破されているため情勢的に考えるとかなり厳しいのだが先手がまだここでは押している。
△同角▲5四香へと場面は移ってゆく。

 

△9八歩の実戦パターン:澤村明憲-鈴木遥一戦(2013弥生杯)・山下敏子-遠藤春義戦(2013師走)など
△9七歩の実戦パターン:金村勝則-中田(安)戦
△9八飛成の実戦パターン:小島義久氏-金澤敏明氏(当トーナメント)
△4二角の実戦パターン:島田良太-金澤敏明戦(2013/葉月)

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