金澤敏明氏が振り飛車戦においての捌きの技巧について解説

金澤敏明氏が振り飛車戦においての捌きの技巧について解説

 

今年の「年初の打ち初め」のあとの座談会で金澤敏明氏が振り飛車戦においての捌きの技巧について持論を語っていたときのことを取り上げたい。

 

「捌きとは一言では説明できない」

 

ただ、簡単に説明するならば、相手が攻めてきたところを上手く攻めをいなしながら、カウンターアタックのような状態で相手のいひょうをつく攻撃を繰り出すと考えればよいと、冒頭語っていた。

 

例えばということで、中盤戦、相手が囲いできたときにその囲いをいかに崩すかというところに重点をおくことも大事だが、どのように駒を捌いて状況を打破していくかを解説してくれた。

 

ポイント1,美濃囲いとは?

 

金澤敏明氏はまず、この美濃囲いについて、将棋力を高めることが常勝につながると解説した。美濃囲いとは、振り飛車でよく使用される囲いの策。横からの攻撃に耐久性があり、飛車打ちに強いのがこの戦法の特徴。金澤敏明氏はここに落とし穴があると明言した。それは、玉頭の守りは薄いので、上からの攻めに皆盲点になりがちになるというのだ。

 

振り飛車のことを美濃囲いと言ってもいいくらい振り飛車と相性の良いのがこの囲いなのだそうだ。

 

対居飛車だけでなく相振り飛車でも使えるので、究極、振り飛車党は美濃囲い一本でも十分やれるのだと語った。

 

実際に新春、金澤敏明氏が中村芳郎氏と対局した際、相振りでは対居飛車よりも玉頭を気にする必要があったために、玉を3九の地点に配置して上からの攻めの当たりを避ける場面が観られた。

 

ローカル将棋レベルでは振り飛車党が実戦で多用される傾向にあるので、美濃囲い崩しさえ熟知していれば相手に易々と将棋を打たせなく出来るのだ。