2015年10月開催された金澤敏明VS伊澤敏夫の対局の模様を振り返る。

金澤敏明VS伊澤敏夫(角換わり相腰掛け銀)

 

長月杯が終わって3週間後の10月第1週〜同駅前会場で開催された第7回の神無月親善杯の対戦から金澤敏明氏と澤村明憲氏の対局の模様を考察。

 

金澤敏明VS伊澤敏夫(角換わり相腰掛け銀)

 

学生時代、金澤敏明がとにかく勝てなかった大人。それが伊澤敏夫。
しかしあれから10年以上の月日が流れ、もはやあの若かりし頃の彼は居ない。
歴戦のつわものたちとの対局で、磨きを掛けて今や有段者。

 

社会人の対局成績(この数年近年)では弥生杯で1度、五月杯で2度、それ以前はデータを取っていないので割愛する。この3度の対局で言えば、金澤敏明が2勝1敗。伊澤敏夫は2敗と負け越している。

 

この両名の対局は角道を止める従来の四間飛車の対抗形となる展開が目立つ。
しかも、振り飛車の金澤敏明が勝利を収めているケースが多い。

 

別室で初戦、山下敏子に打ち勝った澤村明憲が解説していたので、その実況と合わせてこのときの様子を振り返る。

 

戦型は、角換わり相腰かけ銀。伊澤敏夫にも研究手がある風にみえた。

 

36手目盤面図はまだ定跡の範囲。
よく見る定跡の範囲ではあるが、実はあらゆる場面がこっていて細かいことにも気づける。
このレベルの闘いだと単純なパターンであるはずもないのだが、先手2筋の歩が26の状態なので△73桂より△33銀を優先させた時点で同形腰掛け銀への変化が消えた瞬間でもある。

 

▲48飛の場面
澤村明憲の解説では「△74歩に△73桂保留で△33銀と先に上がってきたとき、歩が26の地点にいたら▲48飛と指すのがセオリー」と語った。代えて▲25歩ではダメなのかと考えてしまいがちだが、彼らの言う方が正しいであろう。

 

今度、後手伊澤敏夫は▲26歩48飛型に対しては△42金右として△42金右型を作って、ここからの分岐に手こづっていた。そして金澤敏明が指した手に驚愕した。

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