2015年10月第一週に開催された金澤敏明VS伊澤敏夫の対局の中盤の展開をふりかえる

後手伊澤敏夫が懸命に先手金澤敏明を追い詰めていた中盤戦

 

▲48飛の場面の後。金澤敏明が△73桂を指したところから。

 

桂頭を標的にされぬようなのか?指すのが後手番での相腰掛け銀ではないのかとかんぐってしまった。

 

考えてみると先手金澤敏明が飛車を4筋に振った時点で、少なくとも同形腰掛け銀の42173や43172の歩の突き捨てからの猛攻撃は防ぐことはできた。

 

後手伊澤敏夫は角の打ちこみと銀を送った後の打ち込みを配慮する右金の対応をするまでは、桂の跳ねだしは直前まで辛抱して狙わせないだろうと考えていただろう。

 

伊藤先生がこの場面、指していたら・・・?定跡や研究を外しに来たのかとかんぐってしまうところだが伊澤敏夫が指すと用意の一手に思えるから不思議なものである。

 

だが、この盤面図は非常に興味深い研究材料で、先手に良くする順が何かある気はしてしまう。

 

▲45歩△同歩▲75歩△同歩▲45桂△同銀▲同飛
金澤敏明は想定どおり桂頭を狙いにいった。もし研究していなくて、しかも判断がつかないとしたら、勝っても負けても桂頭攻めは試したい場面だったに違いない。

 

△54角▲48飛△76歩▲88銀
金澤敏明が角の打ちこみの攻防手に打って出る。

 

△86歩▲同歩△74桂
これで後手伊澤敏夫は先に飛車先の歩の突き捨てに成功し、さらに絶妙な位置に桂を配置した。
これは後手伊澤敏夫が先着したようにみえた。実際の形勢は分からないのだが、後手伊澤敏夫に勝利の方程式フラグがあがったようにみえた場面だった。

関連ページ

遠藤氏の勝利に始まった神無月杯1回戦の模様速報
1回戦第一試合:木村正一VS遠藤春義の対局メモ。
島田良太VS山下敏子は予想外の展開に
1回戦第二試合:島田良太VS山下敏子の対局を速報掲載。
拮抗する矢倉対決を制したのはやはり金澤敏明氏
第9回神無月杯1回戦第三試合井上靖則VS金澤敏明の模様をレポート
金澤敏明派の実力者内藤光義は1回戦敗退
1回戦第四試合:小島義久VS内藤光義の模様をレポート
2回戦第一試合:遠藤春義VS島田良太の白熱の長期戦
遠藤春義が島田良太の追走振り切り決勝進出した2回戦第一試合の模様。
金澤敏明氏の前に敢無く散った老兵小島
2回戦第二試合:小島義久VS金澤敏明の模様。
金澤敏明氏が小島義久氏を破った勝因分析
第9回神無月杯2回戦第二試合:小島義久VS金澤敏明から学んだ
中飛車、四間飛車が鮮やか、そして決勝でも圧勝の金澤敏明氏
第9回神無月杯決勝:遠藤春義VS金澤敏明の模様を考察。
2015神無月親善杯第1回戦(3試合目)金澤敏明VS伊澤敏夫
金澤敏明VS伊澤敏夫(角換わり相腰掛け銀)
伊達敏夫のリベンジは?金澤敏明VS伊澤敏夫の勝利者は?
乱打戦を制したのは131手で先手金澤敏明