金澤敏明に連勝して勢いに乗る澤村明憲の2回戦
1回戦、好敵手、金澤敏明から初の2連勝で1回戦を突破した澤村明憲。
2016はさらに一皮むけて上段を目指すような飛ぶ鳥を落とす勢いが感じられる。
2回戦も圧巻の実力を見せ付けた。
金澤敏明との2局目を終えた翌日の1月17日(日)11時〜開催された2回戦。
対戦相手は、1回戦見事な矢倉戦術で勝ち上がってきた細野真彦。
序盤の展開を考察してみる。
2手目△3四歩となった場面から。
▲澤村明憲:無
△細野真彦:無
澤村明憲が先手で初手は▲7六歩。
細野真彦も2手目△3四歩と同じく角道を開けての開幕であった。
手厚い棋風の居飛車党として知られる細野真彦は、澤村明憲の3手目▲2六歩と解釈したのか次の場面。
4手目△8八角成
▲澤村明憲:無
△細野真彦:角
4手目に、突如として「一手損角換わり」と奇抜な展開を実行に移す。
19手目▲4六銀。
▲澤村明憲:角
△細野真彦:角
角交換成立後、攻撃の右銀の位置取りがポイントとなりそうだったが一手、得をした澤村明憲は「早繰り銀」に構える。
29手目▲4六銀。
▲澤村明憲:角
△細野真彦:角
一方の細野真彦は「早繰り銀」に相性が良い「腰掛銀」を狙う意図だったのだろうか。
澤村明憲は3筋で歩をぶつけ、後手の銀が戦場へと繰り出す前に、仕掛けを開始する。
38手目△6五歩。
▲澤村明憲:角、歩
△細野真彦:角、歩
攻撃の銀を高く繰り上げたまま澤村明憲は悠々と玉の入城を達成。
銀を自陣に留めたままの細野真彦が次の瞬間、6筋の歩を突き合わせ反撃に出る。
澤村明憲は▲同歩と取り込み以下、△3四歩〜▲6四歩〜△同銀に下図43手目▲6三角と突き進める。
43手目▲6三角。
▲澤村明憲:歩2
△細野真彦:角、歩
銀をあげることで生んだスペースに澤村明憲が角を投入しこれを拠点としてかまえた。
53手目△5四角。
▲澤村明憲:銀、歩3
△細野真彦:銀、歩
先攻を許した細野真彦は、「角には角の合わせ」で一度は先手の角を盤上から抹消しようと努めるが。
69手目▲5六金
▲澤村明憲:銀、歩2
△細野真彦:銀、歩3
2筋の歩の叩きで55手目の▲2八歩〜△同金。後手は陣営を乱された上で、すぐに澤村明憲は再び角を投入し、馬を作りだす。
細野真彦も角の王手から(62手目△5五角)意地の反撃を試みるも、澤村明憲にあっさりと咎められた。
69手目の局面をみての投了であったが時すでに遅し。
澤村明憲が圧巻の実力で3回戦進出を決めたのだった。
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