「将棋を点で捉えない」とは?
金澤敏明氏が学生の頃から意識してきたことの一つに「将棋を点で捉えない」と推論を立てたと語った。
これはリラックスした戦局だからとかそういうことに限らず、いつも通りのスピードで出し過ぎている人もそうなのかもしれないが、自分の得意とするペースに持ち込みたくてついつい考えばかりが先行し、将棋の流れを捉えられていないのではないか?とある日悩んだと言う。
将棋にはどうしても緩急というものがある。
将棋の流れを当てはめて考えれば、自然と打つスピードにも変化が付いてくる。
そうした流れを断ち切るには、人の脳の力はあまりに微力で、結局は人がその不思議な流れに乗るしかないときが多いのだと言う。
金澤敏明氏はこの一局の流れに逆らわず乗るためには、局面を「線」で考えなければならないのだと語った。
これはどういうことかというと、洗面器の水も、河も、海も、すべては水。
しかし明らかに異なるのが水の流れである。
この例えと同様、戦局の中にも一手一手に流れがありそれはやがて「線」となる。
これを読みきるのが上級者への階段なのだと語った。
これには我々参加者も真剣に喰らいついて耳を傾けていた。
一局を「点」で考えているのか「線」として捉えているのか。
これは、棋譜が書けるか書けないかと通ずるものがあるのではないかと考えることも出来る。
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