2015長月杯の1回戦からもう1戦屈指の好カードを解説
金澤敏明と澤村明憲の1回戦Aブロックの対局が終わり、2人の解説にて執り行われたBブロックの1回戦から白熱の対局をピックアップして考察。
Bブロック:細野真彦 対 岡崎信吾
1回戦Bブロックは昨年優勝の岡崎信吾が登場。
くじ引きによって選ばれた対局相手は、同門対決の細野真彦。彼らは同じ大学のサークルOBであり、入間の界隈では名を馳せた実力者である。
学生時代に金澤敏明や澤村明憲らとよく親善試合でしのぎをけずった仲であり、互いの手の内はよく知り尽くした相手と言っても過言ではないだろう。
対局は岡崎の恒例の大声での挨拶にて幕は切って落とされた。
この対局は非常にスピーディーで、開始15分ほどで70手を超える展開で進められた。
互いに中盤までは手なりと言ったところで、長考などほとんどない展開。
居飛車実力派の両名にとっては、定跡かひと目の範囲と言ったところなのだろうか。
盤面図は70手、ここから局面をじっくり見ていこう。
▲65歩△75歩
岡崎が端を攻めるだけ攻めてから一気に支配を強める。▲13歩成を保留して質駒にしてことが非常に彼らしい。すぐに奪えば端の攻めが続かなくなるため、王手と桂馬の厳しい展開になるのをじっと待っている様子。だが、そこへ細野の手が取らずに反撃をみせる。
岡崎と言わずとも、澤村や金澤もこのような相腰かけ銀の後手でこの△75歩や△65歩の効力をよく用いるのだが、ハイレベルな闘いでは反撃筋を先に作っておかなければ後々致命傷となりかねないのが大局観なのかもしれない。だが、細野も負けてはいない。
▲66角
これには隣の部屋でダブル解説をしていた金澤敏明と澤村明憲も思わず「渋い」と声を張る。
「これは矢倉戦で一時よく見た展開ですが、かなり優位な角の通り道を確保できるメリットと、その角自体が捕虜となるデメリットもあって僕には指せません…。」そうぼやいたのは金澤敏明。
この対局ではこの角の筋道をめぐる攻防に見応えがあったのだ。
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