岡崎信吾が歩の連続突き捨てに出た場面から後手金澤敏明氏は追い込まれていく

勝負あったかに見えた終盤の局面を分析

 

▲86角△64歩のあとに続く。
金澤敏明はこの角交換を拒んだ。
これは後々困った問題を発生させる一つの分岐点になるのだが、この直後に角を動かしづらくなってしまったのだ。

 

後手金澤敏明氏が中飛車43手▲24歩△同歩▲35歩△同歩▲65歩(※43手目盤面図)

 

ここから岡崎信吾が歩の連続突き捨てに出る。
これは後手金澤敏明は角交換を避けられそうにないので、2筋へ利きを残すことが出来なくなるのは確実だった。先手飛車の成りこみを防ぐのが難しくなったのも明確。一挙に先手優勢になったかに見えた。

 

△53銀▲64歩△62飛▲55銀△75歩▲同角△54歩▲66銀△64銀▲86角△65歩▲77銀引△75歩▲26飛
しかし、そう易々と運ばせないのが金澤敏明という人物

 

プロのような見事な切り返しで何とか角交換を拒否しながら左辺から盛り返しを試んでいた。
だが、これに岡崎信吾がまともに打ち合わず器用にいなしている。
こんな金澤敏明氏の将棋を観るのは久しぶりだった。

 

△61金左

 

これは後手、金澤敏明氏の反撃が切れた場面。
こうなると分かっていたとすれば、飛車の7筋振り直しを示唆する△74歩を指す前に、この金寄せを先に指しておきたかっただろう。

 

おそらく、この時点で先手の岡崎信吾にとっては勝利のイメージがぐっと沸いていたはず。
これだけ差がつくと、かなり棋力がある対戦相手の場合、いかに実力者といえど逆転は難しかったと言えるだろう。

 

結論この闘いは127手にて先手岡崎信吾が見事金澤敏明を破って準決勝へ駒を進めた。

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