逆転に成功した金澤敏明二段は、どう勝ちきったのか?

△5一飛が致命傷

 

山下初段は△5五歩-△5一飛であったのだが、△5五歩は▲同銀で金澤敏明二段の銀を誘い出す結果となり、△5一飛に関して、玉飛のニアで悪手となったうえ、飛車が危険な状態を作る駒になる展開へ。

 

これには、ここまで順調な山下初段も数分間の長考に入る。
表情に明らかに(まいったわね、こんなはずじゃなかったのに)と書いてあるような場面だった。

 

女性の大先輩に手加減をしていたのかと思っていた金澤敏明二段。
流石の起死回生を虎視眈々と狙っていたのだ。

 

逆転に成功した金澤二段。
狙うは鮮やかな逆転勝利へのステップ。
関連記事:一気に後手勝勢とする金澤敏明二段

 

先ほどまでの山下初段の攻めとは逆に今度は金澤敏明二段がどう詰めに向かい勝ちきるか?

 

焦点が一気に逆の発想へ向かう。

 

やはり格が違った、というと山下初段に失礼かもしれないが、歩の叩き→角二枚を巧打→銀も攻撃参加と一連の寄せに緩みが見当たらない。

 

圧巻は後手玉を追いつめているにも関わらず、自玉を撤退。
決め打ちで後手玉を受無しの陣にしたら、玉はスピーディーに自陣へ。
ぬかりないというか、「勝ちきる」ための常套戦術ここにあり。という鮮やかなフローだった。

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