2度同じ過ちミスをしないのが有段者
2回戦屈指の好カードは、皐月Tの決勝のカード、金澤敏明-山下敏子戦。
早くもこの両名のどちらかがT敗退となるが、先手は山下敏子氏。
△６二銀▲７六歩△５四歩▲４六歩△５三銀▲４五歩
△４二玉▲３六歩△３二玉▲３五歩△２二銀▲２六歩
△５二金左▲２五歩△７二金▲２四歩△同歩▲同飛
△２三歩▲２六飛△１四歩▲１六歩△９四歩▲９六歩
△７四歩▲４八銀△６四歩▲５六歩△８四歩▲５七銀
△６三金右▲３七桂△７三桂▲５八金右△６五歩▲７八金
△８五歩▲６九玉△６四金▲６八銀上△６三金上▲３六飛
ここまでの流れでは、山下敏子氏の△４六銀の位置に注目していた。
前回の決勝でもこのような配置だった記憶があり帳面を確かめたが若干違っている。
ただ、ここで△７五歩と仕掛けているし、金澤敏明二段が似たようなパターンを2度も喰らうはずもない。
△５五歩という紛れについても触れられているので、先にそちらから考察する。
△５五歩▲同歩△２四歩▲４六銀△２三銀となったところで△５五歩の意図は、角筋の動きを封印して△２三銀型を設けることだっただろう。
だが、中央の歩に見切りをつけたのは大きなマイナス要因となり、この後の展開を窮屈なものにした。
先手山下敏子氏の手の厚みが半減した格好となった。
厚みのある配列が取れない＝薄くなっているタイミングを金澤敏明氏が見逃すはずも無い。
手持ちの駒が少ないが敵玉を角筋に誘う▲２二歩がこの際の形。
そして手前に▲１五歩を入れて巧みに攻め立てる。
この分岐点から金澤敏明二段はペースをつかみ119手で前回敗れた山下敏子氏を撃破し雪辱を果たしたのだった。
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