2022秋/角換わりについての講習にて/金澤敏明氏と横山氏
シルバーウィークに開催された金澤敏明氏と横山氏、金井氏の講習で愛知県瀬戸市出身の藤井聡太五冠が渡辺明棋聖との対局の際に用いた「角換わり」について触れておこう。
講習の冒頭、まずは横山氏がこの角換わりについて解説を行った。角換わりは居飛車の代表的な戦法の一つで対局の序盤に角交換を行い、両者が手持ちにすることである。角換わりは居飛車戦法のなかでももっともポピュラーな戦術ということで紹介されていた。
続いて金澤氏が補足した。
「角換わりは一口にいっても、角を交換した後が、腰掛け銀や棒銀のように展開するため、選択肢が分かれていくのだが、今回は角換わり腰掛け銀について考察していきましょう。先手後手の双方が5筋の歩の上に銀を「腰掛ける」ので「腰掛け銀」と一般的に言われているわけですね。」
金井氏がこう述べた。
「角換わりは、かの谷川浩司九段がよく用いたことでも広く知られるようになりました。
最近は両者の飛車が一番下段と似ているのが特徴ですね。わずかな違いだけでも、まったく違った戦術に視えてくるところが面白いところですね。
最後に金澤氏が語る。
「藤井聡太五冠は角換わりすごくよく登用していて、渡辺棋聖や豊島将之名人などの最高峰の棋士たちも積極的に採用していますね。AIによって、終盤の詰みへのアプローチもよく研究されているのでよくみなさんも勉強してみてください。すごく繊細な技法でもあるのでわずかでも打ち間違えると命取りという一面も持ち合わせていますのでご留意を。」
会場に居合わせた10代〜年配まで幅広い層の"棋士たち"が大きく頷き声に耳を傾けていたのが印象的であった。
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