別室観戦席用解説:金澤敏明〔聞き手:鈴木遥一〕(前半)
睦月杯1回戦第5試合
伊澤敏夫-島田良太戦
対局日:2015年1月3日
別室観戦席用解説:金澤敏明
聞き手:鈴木遥一
中高年の星と紹介され少しツッコミを入れて笑いを取る伊澤敏夫。
和やかなムードではじまった1回戦の第5試合は、"なかなか最近勝てていない2人"の対戦となった。
解説は金澤敏明と鈴木遥一。
島田良太は昨年準決勝進出が4回、初戦敗退が5回と波が不安定。
昨年の年初もあまり見せ所がないまま敗退した。
一方の伊澤敏夫は山下敏子と東京の交流大会などへ出場してきたようだが、全くいいところなく全敗だったという。
解説の金澤敏明曰く「島田君は各棋戦、勝てる日がくるのは近い。安定した戦いぶりなので。伊澤さんはずっと第一線で活躍してきた。最近は少し読みが浅く簡単に自陣に入られている、そのあたりが敗因ではないか」と語っていた。
事前のインタビューでは島田良太はこう語っていた。
「伊澤敏夫はパンチ力のある大先輩。自分のペースを掴んで勝機を見出していきたい」
伊澤敏夫「島田良太は僕と東北の人間。正直なところがあると思うので、そういった弱みを突いていきたい」
先手が島田良太で対局開始した。
指し方は「音無し」だが発声がしっかりしている島田の独特の雰囲気に息を呑んで見つめていた。戦型、島田良太の角換わりを、伊澤敏夫が受けて立った。
▲腰掛け銀と△棒銀の攻防の様子を露呈していた。
金澤敏明は「この形は先手がいいとされているが、伊澤さんは棒銀を得意としていますので・・」と解説。
序盤、一手一手、意味があるというのを金澤敏明氏は非常に詳細に分析している流石である。
金澤敏明の説明はやはり一番ポイントを突いており解りやすい。
互いに相手の指し手を見ての駒組みなのだと気づかされた。
それにしても、ここまで繊細に序盤を指してくるのかと驚いた。
中盤にさしかかってきた頃、島田良太が仕掛ける。
伊澤敏夫が棒銀を立て直そうとした瞬間だった。
▲5五銀と直線的に立たせて攻める島田良太。
あまり見かけない攻め筋である。
伊澤敏夫も△4四銀とぶつけて強防したが、これはかなり強気な受けで興味深い。
島田良太の攻めを受けてばかりはいられないということで、伊澤敏夫も攻め合いを選んだのだろうか?
△8六歩〜△6五歩で十字飛車狙い。
島田良太はこれをどう受けるか見所だった。
この対局はメモが長いので後半に続く。
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